現実社会では,いかにその内容が優れていようとも, 体裁 (フォーマット) が規定通りでない報告書や書類は受理されません.
提出する1人の立場からすれば,わずかな体裁違いで受理されないのは納得しがたいものがあります.
しかし,体裁がバラバラな書類をチェックするのには,体裁が整っている場合と比べて数倍の時間がかかります.しかも,チェックされる書類は自分だけのもの ではなく,他者による既提出書類がチェックされてからでないと自分が提出した書類はチェックされません.
このとき,それらの他者による書類も体裁がバラバラなら,自分の書類がチェックされるのはいつになるでしょうか?
体裁がバラバラな場合,書類の不備が発見され書類の返却を受けるまでの時間が,体裁が揃っている場合よりも大幅に長くなります.書類の体裁を整えることは, 提出する人達にとっても合理的なのです.
以上の実情を踏まえ,本実験でも,体裁が規定にそっていないレポートは評価対象として受理されません.本実験は規定に沿ったレポートを作成する練習も兼ね ていますので,指定様式 に基づいてレポートを作成し,再提出の場合は修正の指示へ従うようにしてください.
以下に,これまでに再提出となったレポートで散見されたミスを挙げておきます.レポート作成時の参考とし,同じ轍を踏まないようにしましょう.
書き忘れ
ページ番号が付いていない.(付録への付与忘れも多い.)
表番号や表タイトルがない / 図番号や図タイトルがない.
実験結果を載せていない.(プログラムソースを誤って結果として載せている.)
実験内容の説明がない.(なぜその入出力で動作確認ができているのか,簡単でよいので説明を入れること.)
検討課題の記述がない.
プログラムソースが付録として添付されていない.
付録のプログラムソースがそれぞれ何のプログラムのソースなのか説明がない.(記述は短くて構わない.)
グラフの縦軸と横軸に目盛・単位を書いていない.
書き間違い
表番号を表の下に書いている / 図番号を図の上に書いている.
参考文献の書き方が違う.
内容上の問題
「原理」のところで予習課題の説明しかしていない.(実験課題の原理,つまり,データ構造とアルゴリズムに関する話を書いていない.)
考察がただの感想文になっている.
節の順番が違う.(正しくは,目的,原理,装置および方法,結果,考察,検討課題,参考文献,付録,の順.)
実験内容について説明していない.(「方法」の節,あるいは「実験内容」という節などにおいて,実験結果を述べる前に なにを実験したのかを説明すること.)
グラフの横軸の取り方が一定間隔になっていない.(例えば,1000, 2000, 4000, 8000 … 等.)
「レポートの書き方」 を完全に無視した独自の書き方をしている.(論外.)
鉛筆で書いている部分がある.
図・表を書くのに定規を使っていない.
グラフを描くのにグラフ用紙を使っていない.
図や表がページをまたいでいる.(サイズを小さくしたり前後に余白を入れて1つのページに収めること.どうしても入りきらない場合は,複数の図・表に分けてよいが,図・表の番号も分けること.)
表番号や表タイトルがない.
表番号を表の上に書いていない.
図番号や図タイトルがない.
図番号を図の下に書いていない.
端末に表示されたコンパイル方法やプログラムの実行方法,プログラムの実行結果などを載せる場合,スクリーンショットを撮り図として記載している.
端末から文字をコピーし,ワープロ・TeX 内で使用することは問題ない.
参考文献の書き方が形式通りでない.
【適切な形式】
[1] 平田富夫: アルゴリズムとデータ構造,森北出版 (1990).
【不適切な形式の例】
例 | 不適切な理由 |
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[1] 平田富夫: アルゴリズムとデータ構造 森北出版 (1990). | 書名と出版社の間にカンマがない |
[1] 平田富夫: アルゴリズムとデータ構造,森北出版 | 出版年がない |
[1] 平田富夫 著: アルゴリズムとデータ構造,森北出版 (1990). | 著者名の後の「著」は不要 |
[1] 平田富夫: アルゴリズムとデータ構造,森北出版 (平成2). | 出版年が西暦でない |
[1] 平田富夫: アルゴリズムとデータ構造,森北出版 (1990年). | 出版年の[年]は不要 |
[1] アルゴリズムとデータ構造,森北出版,平田富夫 (1990). | 要素の順序が不適切 |